「血液疾患患者の会・フェニックスクラブ」は、骨髄バンクのボランティア活動にとりくんでいた大谷貴子さんなど患者6人が呼びかけ、1994年4月に発足しました。
白血病などの血液疾患は、「不治の病」というイメージも残っていて、長く、つらい治療とつきあわなくてはなりません。骨髄移植や化学治療の進歩で「治る」人もふえていますが、ドナーがいないことや年齢、病状などで移植できない人もいます。移植してもうまくいくとはかぎらない、移植後の障害も深刻な場合があります。移植しない人も急性転化や再発の不安をかかえて生きています。そんな悩みや不安を抱える患者自身が集まり、お互いに励ましあい、情報交換をし、生きていく元気をつけよう、と結成されたのがフェニックスクラブです。会には、さまざまな血液疾患で、移植後の人、移植をまっている人、移植しない人、年齢も十代から六十代の患者本人が参加しています。
毎月会員あてに送られる通信と、年4〜5回全国各地で開かれる交流会で、患者同士の情報交換と交流をしています。患者が運営する、患者自身の会です。「明るく、楽しく、前向きに」という会のモットーだけ確認していますが、会則も役員もありません。通信や交流会でどういう情報を発信するか、その情報をどう受け取るかは、すべて個人の判断にまかされています。会費は年2千円。会員は全国で約五百人。事務局は今は山口県宇部市に置いています。
これまでの交流会の会場は、東京、大阪、京都、神戸、名古屋、山口、甲府、札幌、鎌倉、三重、茨城、新潟。これから長野、埼玉などでも予定されています。交流会は、やりたい人が呼びかけ、運営し、行きたい人が参加するしくみです。
入会は、事務局に「入会申込書」を出し、退会も事務局に連絡して下さい。
編
フェニックスクラブ3冊目のパンフレットです。体験記を寄せていただいたみなさん、本などの紹介を連絡していただいたみなさん、ありがとうございました。
体験記では、移植の経験が多くなりました。厳しい治療を生き抜いたドラマティックな体験です。でも、このパンフレットにはでてきませんが、残念な経過をたどった患者も少なくありません。「体験記」は、移植した人もそうでない人も、「現在元気」な人から寄せられたものです。どのような治療を選ぶかは、あくまで患者自身の「納得と決断」です。このパンフレットは、そのいくつかの例としてお読み下さい。
パンフレット 挿絵提供 岡本正和
HP Photo By Obapon